研究実績一覧

大麦若葉エキスに関する過去の研究実績の一覧です。

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パロアッスル 筋分化

南米パラグアイ原産ハーブ・パロアッスルの筋分化促進作用

「日本薬学会 第134年会(2014)」

IGFシグナルは、筋分化を制御するPI3K/Akt経路と細胞増殖を制御するMAPK/ERK経路の2つに大きく分かれる。マウス筋芽細胞にパロアッスル+インスリン共添加時のリン酸化体減少傾向はAktに比べERKで強くみられたことから、2経路に与える作用の差異がパロアッスルによる筋分化促進に関与している可能性が示唆された。

◯住友麻衣1,船木麻美1,木村友紀1,佐藤洋美1,石川桃子1,吉田博也2,深田秀樹3,上野光一1

(1千葉大院薬,2インターナショナルホームメディカル,3日本薬品開発)

【目的】パラグアイ共和国チャコ地方に自生しているキク科多年草Cyclolepis genistoides(一般名パロアッスル)は、その地上部抽出エキスをサプリメントとして摂取することで基礎代謝量・骨格筋量が増加したという報告があり、筋分化促進作用を有することが示唆されている。本研究室において筋芽細胞株を用いた検討により、パロアッスルが筋分化マーカーであるmyogeninの発現量を増加させることを確認した。そこで本研究では筋分化に対する詳細な作用機序を明らかにするため、筋肥大・成熟を制御するInsulin growth factor(IGF)シグナルに着目し、IGFシグナル伝達系に対するパロアッスルの作用を検討した。

【方法】マウスC2C12筋芽細胞にパロアッスルの含水アルコール抽出エキス末(パロティエラ;Palo)及びインスリンを単独または共添加し、IGFシグナル因子であるIGF-1受容体、Akt、ERK、IRS-1、PI3Kタンパク質発現量をWestern blotting にて検討した。

【結果】Palo単独添加でIGFシグナル因子の発現量に有意な変化はなかった。インスリン添加により活性化体であるリン酸化Akt及びERK発現量は上昇したが、Paloをインスリンと共添加することで、これらの上昇は軽度抑制された。

【考察】IGFシグナルは、筋分化を制御するPI3K/Akt経路と細胞増殖を制御するMAPK/ERK経路の2つに大きく分かれる。Palo+インスリン共添加時のリン酸化体減少傾向はAktに比べERKで強くみられたことから、2経路に与える作用の差異がPaloの筋分化促進に関与している可能性が示唆された。現在、Akt経路のシグナル因子であるIRS-1及びPI3Kについて検討中であり、その結果も併せて報告する。